過払い金請求の裁判の知っておきたい3つのポイント

消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者から、払いすぎた利息を取り戻すことのできる過払い金請求には、貸金業者との話し合いで和解して解決する方法の他に、過払い金を請求する貸金業者を訴えて裁判をして解決する方法があります。

貸金業者から返還される過払い金の金額が少ない金額で、その金額に納得ができない場合は裁判をすることができます。裁判は判决がでるまで時間がかかりますので、当然、過払い金が返ってくるまでの時間もかかります。返ってくる金額が少なくてもいいから一日でも早く過払い金を支払ってほしいのか、時間をかけてでも裁判をして過払い返還額を多くするのかは個々の状況に合わせた判断が必要です。

裁判をする場合としない場合は、大きくわけて【解決するまでにかかる費用・過払い金が返ってくるまでの期間・返ってくる過払い金額】3つのポイントがあります。その3つのポイントを理解し不安を解消し納得のいく過払い金請求をしましょう。

ポイント1:解決するまでにかかる費用が違う

過払い金請求の裁判をするには費用がかかります

返ってくる過払い金の金額などの条件に納得がいかない場合裁判をおこします。訴えを起こすには費用が発生します。裁判所へ訴訟の提起(訴訟をおこすこと)をするための印紙代などを含めた諸経費が必要になります。

過払い金請求の裁判をすると裁判所へいく必要があるので、交通費が諸経費に加えて発生します。さらに、専門家に依頼した場合も同様に実費として交通費と日当がかかる事務所があります。

過払い金請求の裁判でかかる費用には、以下のようなものがあります。

印紙代

請求する過払い金の額に基づき決定します。10万円であれば1,000円、20万円であれば2,000円、というように10万円単位で切り上げます。100万円以上になると、20万円単位で切り上げとなります。

郵便切手代

貸金業者に訴えの内容が述べた訴状、裁判をするために貸金業者をよぶための呼出状、判決がでたあとに貸金業者へ判決を郵送するために必要になります。東京地方裁判所では6,400円と決まっています。

代表者事項証明書

訴える貸金業者の代表者、資本金などが記載された代表者事項証明書の取得のために印紙代が600円かかります。ちなみに、ウェブで請求する場合には500円と少しお得になっています。

裁判にかかった諸経費も請求できる可能性がある

過払い金請求の裁判で勝訴した場合、諸経費は請求先の貸金業者に過払い金と合わせて請求できる可能性があります。必ず請求して返ってくるというものではなく、貸金業者の経営状況や対応によって違います。

専門家に依頼する場合、裁判をするかしないかでかかる費用が違う

司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合、判决や貸金業者との交渉で過払い金が返ってくることが決まれば、成功報酬が発生します。司法書士や弁護士などの専門家の成功報酬は、裁判をせず貸金業者と交渉のみの場合は20%以下、裁判をした場合は25%以下と決まっています。成功報酬はきまった範囲内で各事務所が決めています。

また、全ての事務所で発生するというわけではないですが、司法書士や弁護士事務所によっては過払い金が返還された場合に基本報酬をとるところがあります。原則として貸金業者1社あたり5万円以下ときまっており、それにそって事務所ごとに金額が設定されています。

ポイント2:過払い金が返ってくるまでの期間が違う

裁判をすると解決するまでに時間がかかります

過払い金請求の裁判をすると、裁判所へ訴訟の提起するための書類の準備や、裁判がはじまった後は過払い金の金額や支払いの期限を決める交渉があります。

過払い金請求の裁判をする際に必要な書類

過払い金請求の裁判をするには以下の物を用意する必要があります。

  • 貸金業者に訴えの内容を述べた訴状
  • 裁判所や貸金業者に過払い金が発生する事実を証明する証拠を伝えるための証拠説明書
  • 貸金業者とどのような取引がおこなわれたかを証明する取引履歴
  • 過払い金がいくら発生しているかを証明する引き直し計算書
  • 貸金業者の会社の情報が書かれた登記簿謄本(資格証明書)

貸金業者はなるべく支払う過払い金の金額を少なくする主張をしますので、裁判をおこさず解決するよりかなりの時間がかかります。特に経営状況が不安定な貸金業者は資金の関係上なるべく支払いを先延ばしに、支払い金額を少なくしようとします。

貸金業者の対応にもよりますが、裁判をおこさず返還される過払い金をきめた場合は平均4~7ヶ月、裁判をおこした場合は平均6ヶ月~12ヶ月で過払い金の返還に至っています。

自分で過払い金請求をする場合、裁判所へ訴訟の提起をするため事前に書類の準備や、過払い金請求や裁判についての情報収集をするのにも時間がかかります。また、貸金業者は数多くの過払い金請求に対応しています。そのため相手が個人の場合、過払い金請求や法律に関する知識を持ってないと判断すると、書類の送付が遅かったり対応を後回しにする可能性があります。これは貸金業者が一日でも支払いを遅らせたいためです。過払い金は借金を返し終わってから10年経過すると時効が成立し、請求が一切できなくなるので注意して下さい。

あくまで個々の状況によって変わってきますので、詳しくはのメールフォームやフリーダイヤルからご質問ください。

ポイント3:返ってくる過払い金の金額に違いがでる

裁判をした方が返還される過払い金が多い場合がある

裁判をせずに過払い金の交渉をすると貸金業者にもよりますが、本来返ってくる過払い金の満額に対して平均4~8割で和解成立することが多いです。しかし、裁判をして過払い金の交渉をした場合、本来返ってくる過払い金の満額に対して平均6割~満額で過払い金を回収することができます。

裁判をした場合は判决がでるまでにも、平行して貸金業者との過払い金の金額の交渉をおこないます。この時、貸金業者からだされる条件は最初に交渉した条件よりも返ってくる金額があがっている場合が多く、判决がでるまえに貸金業者と和解を成立させることもできます。しかし、判决がでるまえに和解した場合は万が一、貸金業者が過払い金の支払いに遅れた場合や支払わなかった場合などに支払いの督促はできますが、法的な力で強制的に過払い金の支払いをさせる強制執行ができないので注意してください。

裁判をせず過払い金の返還額は少ないが早く返還してもらうか、時間はかかるが満額回収できる可能性がある裁判をするか、個人の状況によっても変わりますし、貸金業者の対応によっても変わってきますのでよく考えて過払い金請求をしてください。

貸金業者の経営状況やそれまでの過払い金請求の対応状況によって変わるので、裁判をしたからといって必ず満額回収できるというわけではないので注意が必要です。

過払い金に利息を付けて請求できる可能性がある

貸金業者が法律上の根拠や理由がなく、法律で定められている15%~20%を超える金利を得ていたとして、裁判で満額過払い金を回収できる場合、その過払い金には利息も発生するとされています。そのため、貸金業者へ過払い金を請求する場合、その利息分も請求することが認められています。

過払い金の利息は年5%と決まっており、過払い金が発生した時点からその利息を計算することができ、過払い金の発生が過去であればその分、利息も多くなります。

利息の計算は過払い金が発生した時点から計算するため個人で計算するには明確な過払い金の発生が判断しづらく複雑なので、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するべきです。過払い金が10万円程度であれば差は少ないですが、過払い金が高額となる場合には、安易に貸金業者が提示してきた過払い金の金額で納得してしまうよりも、専門家に相談のうえ裁判をするかしないかの判断をする方がよいです。

しかし、現在は貸金業者の経営不振などの理由から過払い金を満額回収できる貸金業者はかぎられます。個々の借入状況や貸金業者などによって変化しますので必ずしも利息付きで請求できるわけではないです。過払い金満額に利息付きで回収したい方は、へ一度お問い合わせください。

過払い金請求の裁判の争点になりやすい取引の分断と一連

1社からの複数借入れを一つの取引とする一連性

1社の貸金業者から、借金と返済を何度もくり返しているような場合によく争点となるのが、その取引の一連性についてです。簡単に言えば、1回の借金を借りてから返済するところまでで1つの取引とするのか、あるいは、その貸金業者からの借金はすべて1つの取引とみなすのかということです。すべてを1つの取引とするならば、一度完済した後で新たに借金をしたとしても、新しい借金は前の借金と一連性があると認められます。

複数の借金がすべて分断した取引なのか、一連の取引なのかによって請求できる過払い金の総額が大きく変わってきます。そのため、貸金業者は分断した取引であるとの主張をしてくるはずです。

取引の一連性が認められる判断ポイントは?

一連取引か分断取引かを争点とした裁判は多く、その判例もさまざまです。過去の判例を元に、取引の一連性を判断するポイントを見てみましょう。

重要なのは、借金を申し込むときに「基本契約書を交わしたかどうか」です。
通常、新規で借金を申し込むと基本契約書を取り交わします。完済後に同じ貸金業者から2回目の借り入れを行う場合、新規と同様の基本契約書を結び直したかどうかが、ひとつの判断ポイントとなるようです。
毎回新しい契約で借金をしていれば、その取引はすべて分断した独立の取引であると判断されやすく逆にすべて1つの基本契約のもとで借金をしていれば、1つの取引だと判断されやすくなっています。

・1つの基本契約書にもとづく複数の借金

複数回の借り入れがすべて同一の基本契約書にもとづく場合には、基本的に一連取引と認められています。この判断は、平成19年2月13日の最高裁判決と平成19年6月7日の最高裁判決の2つの判例があります。
ただし、借金を完済してから次に新しく借り入れするまでの期間(借金の空白期間)があまりに長いと、一連性を否定される可能性もあります。最高裁では空白期間が長い場合の判例がまだないためにこの期間の判断基準はなく、裁判官それぞれの判断に任されるところになっています。

・別々の基本契約書にもとづく複数の借金

完済後、借り入れのたびに新しい基本契約書を交わした取引の場合でも、同一の取引であると認められ、一連計算できるケースもあります。平成20年1月18日の最高裁判決では、その判断する目安として以下のポイントがあげられました。

  • 2度目の契約までの空白期間の長さ
  • 1度目の契約の取引期間の長さ
  • 1度目の契約書の返還の有無
  • キャッシングカードが発行されている場合の、失効手続きの有無
  • 空白期間中の債務者と債権者の接触頻度やその状況
  • 1度目と2度目の契約内容の差異

これによると、基本契約書を結び直していても、その内容に差異がない場合や、1度目の借金完済後に、キャッシングカードなどでいつでも再借り入れが可能だった場合、あるいは1度目の契約書が完済後に返還されていない場合などは、実質的に同一の取引だと主張できる可能性がありますす。

ただしどちらの場合にもいえるのは、借金の空白期間があまりに長い場合には、取引の一連性が認められない可能性が高いということです。数年単位で空白期間がある場合には分断した取引だと判断されるケースが多いです。

過払い金請求の裁判は一度専門家に相談

過払い金請求の裁判はする・しないの判断が素人で判断するのは難しいです。そして、いざ裁判をするとなると訴状の準備や裁判所へいくことが必要になります。裁判をした方がメリットがあるのか、裁判をせずに話し合いで解決するほうがいいのかの判断も過払い金請求の経験がないとわからないです。
まずはご自身の状況と要望を司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。経験豊富な過払い金請求のプロに相談することで、どうすれば自分の望んでいる結果になるかメリット・デメリットはどういったものか、といったことをしっかり教えてくれます。
無料相談をしている事務所も多くあるので気軽に問い合わせてみるのがようでしょう。

裁判をするかしないか、まずはへご相談ください

過払い金請求の裁判をすると貸金業者との交渉次第では返還される過払い金が多かったり、過払い金に加えて利息付きで回収できる可能性があります。

しかし、過払い金請求の裁判をするには費用がかかり、なおかつ貸金業者との交渉があるため納得できる条件で和解するまでにかなりの時間がかかります。過払い金に加えて利息付きの返還や裁判をする際に必要となる諸経費の請求は、貸金業者のこれまでの過払い金請求への対応や経営状況によって変化しますので必ず回収できるというわけではありません。早く過払い金を回収したい方は裁判をせず、貸金業者の提示してきた条件で和解を成立させるのも一つの手段です。

弁護士法人きわみ事務所では月3500件以上の過払い金、借金問題に関する相談があり、過払い金請求の裁判をするか悩んでいる方や、過払い金を早く回収して欲しい方からの相談も数多くあります。

そのいずれの相談にも過払い金請求に必要なノウハウ・交渉力をもった弁護士が責任をもって対応しており、それぞれの状況にあった満足していただける解決方法をご提供させていただいております。無料相談・着手金無料の初期費用もかかりません。質問からの問い合わせも受け付けていますので、メールフォームやフリーダイヤルからお気軽にへご相談ください。

  • 弁護士法人きわみ事務所 代表弁護士
  • 増山晋哉

大学卒業後、大阪市内の法律事務所で経験を積み、独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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